2014年10月13日

勝海舟の父・小吉の自伝、『夢酔独言』

 勝海舟の父である小吉自身が書き残したとされる自伝、『夢酔独言』(むすいどくげん)は、子孫にけして同じ轍は踏むなと本人が自戒の書ところの人生だが、この書が21世紀の今日に至るまで伝わるとは思ってもみなかっただろうが、それをどう読むか、この秋の課題にして、本を探してみてはどうでしょう。 かの坂口安吾までもが、『夢酔独言』を読みたくて必死に探したが、読むことができなかったとの逸話も残されているほど面白く、当時の話し言葉も判り、また当時の国内の状況も知ることができます。

 勝海舟は、我孫子ゆかりの加納治五郎の父そしてまた柳宗悦の父とは海軍伝習所で一緒に働いた共通点があると言われます。その勝海舟の父は、勝小吉があまりに破天荒な人生を送ったため、小吉が自分のような大馬鹿を子孫が真似をしないように戒めとして、書き残したとしされています。

 さらに、文章も破天荒な人生を送った小吉らしく、話し言葉で書いてあるので、現代文のように読み易い。口語訳もあるそうで、日本人なら一度は読んで損はないと言われます。

 思い切り端折(はしょ)ると、小吉は家に帰り旗本の地位に戻ります。そして男気と腕っ節で、当時の江戸の町を仕切る顔役になります。それからは痛快娯楽時代劇を地で行く生活が始まります。
その間、兄に座敷牢に閉じ込められ改心するように迫られたり、密教の修行をして富くじ(宝くじ)の番号を何度も当てたり、大阪に旅をしたときには、自分の首を入れる首桶を持参して、切腹すると一芝居打ち大金を工面したり、記録に残っている当時の有名な剣術家たちと戦って、余裕で勝ったりします。
事実は小説より奇なりをこれでもかとばかりに地でいっています。

 つまり、この書を読んで、勝海舟の幕末・維新における柔軟な発想や行動は、この「生涯一不良」のような父に育てられたからであろうとも考えつく。すると、小吉に「何、言ってやんでい!」と大笑いされるに違いないと、ハッとする。
posted by その木なんの気、柳の気 at 01:30| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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